簡単ハイブリッド雲台化! PeakDesign Travel Tripod & Leofot G2
最近メインの三脚として使用しているのは PeakDesign の Travel Tripod で、PeakDesign 初の三脚としてクラウドファンディングである KickStarter で記録的な成功を収めたオシャレ高機能三脚です。私も KickStarter にて出資し、カーボン製の Travel Tripod を手にしました。
現在は通常販売されており、個人輸入または日本での正規代理店である銀一、家電量販店などで普通に購入できます。
この三脚については数多のブロガーや YouTube で散々レビューされているので、三脚単体での性能、機能についてレビューはしませんが、総じてデザイン的な満足度は非常に高いが、三脚としての基本性能は価格なりとは言いにくい。
といった評価が多いでしょうか。ちなみに私の感想としては「思ったより大きくて重い。」です。
今回は三脚単体としてではなく、Leofoto 製のギア雲台 G2 を乗せてハイブリッド雲台化してみたらどうなのか?という少し変わった観点でレビューしていきます。
手持ちの三脚に Leofoto G2 を追加してみようかな?と考えている方は結構いる気がしますので、実際に組合わせた所感と、使い心地や欠点など書いてゆこうと思います。
自家製ハイブリッド雲台化の経緯
自由雲台は構図を素早くセットするには最適なのですが、微調整が苦手です。特に安物や耐荷重が低い小型のものに重い機材を乗せるとボールを締める時にズレるためイライラが募ります。(ARCA-SWISS や RRS の高品位な大型雲台ならストレスは少ないでしょう)
このストレスを最も理論的に解決した理想的な製品が ARCA-SWISS P0 Hibrid であり、自由雲台の上にギア雲台が合体した製品です。粗動を自由雲台が担当し、微動をギア雲台に担わせています。
本当はずっとコレが欲しかったのですが、下記理由で購入に至っていませんでした。
- 雲台そのものが高価
- クランプ交換したくなる(さらに費用がかかる)
- そもそもこのクラスの雲台を乗せるに値する脚がない(さらにさらに費用がかかる)
合計 ¥250,000 ~ ¥400,000 コース。単純に金銭面の問題ですね。切ない。
脚(つまり三脚)については購入しようと思っており、GITZO、RRS、Leofoto と検討していたところに、冒頭の PeakDesign の三脚が発表され、「GITZO の脚買う半額程度で自由雲台セットが買える!」と思いとりあえず飛びつきました。(合わなくても売却すれば損失多分ないことも大きな後押しに)
脚問題は解決しましたので、あとは ARCA-SWISS P0 Hibrid を買うか悩んでいましたが、三脚への出資から商品発送までの間にハイブリット雲台(自家製含む)に新たな選択肢が増えていました。金額順に並べると下記の通り。
- ARCA-SWISS P0 Hibrid(+ユニバーサルヘッドアダプター)
- ARCA-SWISS Core 60 Leveler Classic(+ダブテールプレート)
- Leofoto LH-40GR(+ユニバーサルヘッドアダプター)
- MARSACE XB-2PRO/XB-3PRO(+ユニバーサルヘッドアダプター)
- Leofoto G2
「まずは投資額の少ない Leofotot G2 を試そう。好き嫌いは別にして実績あるメーカーだし。サイズ合いそうだし。」これが今回の組合せに至る経緯です。
Travel Tripod + G2 外観
あつらえた様にぴったり!素晴らしい!
と思いきや。サイドから見るとしゃくれてるじゃないですか!
惜しい。Travel Tripodのクランプ位置が前後中心ならば完璧だったのに。
そうは言っても畳んだ時に塊感があって、ハイブリッド雲台特有の見た目の不安定感は全くありません。見た目としては許容範囲です。
ハイブリッド化した三脚トータルの使用感
全体的に非常に良いです。
・操作感は文句なし
ギア操作も滑らかで、もうギア雲台の微動無しでは物撮りが嫌になりました。実際この記事のために別の三脚&自由雲台使ってますが目の前にギア雲台あるのに使えなくてイライラしてます(笑
・分離が容易
G2 の底部がアルカスイス互換になっており、分離にネジを必要としないので軽量化したいときなど TPO に併せて素早く脱着が可能。
・Travel Tripod の面倒な部分を多少カバーできる
本来 Travel Tripod は自由雲台を動かすために首を持ち上げてやる必要があるのですが、微動のみで調整可能な範囲ならそれが不要となります。平坦な足場での水平出しなら自由雲台使わない方が早いです。
Travel Tripod側の課題
・収納時の脚と雲台の向きが気持ち悪い。
人間の心理的に三脚を広げた三角形の底辺または頂点側にカメラの前後が来る設計とするのが落ち着くと思うのですが、何か機能的にズラした方が良い理由があるのでしょうか?クランプ位置の前後中心化と共に、次回作で修正してもらいたいです。
・キャリングケースがジャストフィットすぎてG2付きでは入らない。
伸縮素材で収納可能!とかだと最高でした(無理な要求)。
・ボールが小さいため耐荷重に過信はNG。
脚の間に収まる構造上仕方ないと思います。小型軽量のミラーレス機をメインターゲットとした商品なのかもしれません。
私の機材で重くなるパターンとしては G2(360g)+D850(1,005g)+AS135(920g)= 2,285g
ちょっと不安になるのでスライドプレートで重心位置を調整して使おうと思います。しかしながら耐荷重に関しては出資したときから厳しいだろうと思っていたので、想定内です。
G2側の課題
・パン(水平回転)はギアで調整できない
・恐らくクランプ交換不可であること(クランプノブがギア操作ノブと同じ形状)
真ん中にある形状の異なるノブがパンノブです。ギアではありません。
単純にわがままですが、ギア雲台の微動による調整を体験すると水平方向の回転もギアで操作したくなります。
黒色はクランプノブです。ギア操作ノブとは色が違うだけで非常に脱着ミスを誘発しそうです。脱着速度の観点でもレバー式が望ましいと思います。
・ギア剥き出し。
砂噛みそう。この形状である限り仕方ないでしょう。本家もギア剥き出しです。
まとめ
使い心地も良く、若干の見た目のズレ以外は思い描いていた通りのハイブリッド化を実現することができました。
今回の組合せなら カーボン三脚+自由雲台+ギア雲台が ARCA-SWISS P0 Hibrid 以下の金額でそろいます。
PeakDegine の三脚にはより安価なアルミニウム製のバージョンもありますので、ぜひ検討してみてはいかがでしょうか。もちろん手持ちの三脚に Leofoto G2 を追加するだけでも非常におすすめできます。
自由雲台にギア雲台を乗せる発想は最高です!
私は敬意を込めて資金に余裕がある時に Leofoto G2 を ARCA-SWISS Core 60 Leveler Classic に切り替えようと思います。