猫を上手に撮るには?デジ一撮影時の親指AFのススメ
今日は猫撮りと親指AFについてです。
いい表情が撮れてますが、これは親指AFを実践して撮影したものになります。
妻に比べて写真のセンスの無い私ですが、妻もコレはカワイイと絶讃してました。
(梅がカワイイ訳で、写真が良い訳ではないって?都合の悪い事は聞こえませんw)
私が日頃、良い写真の条件として大切だと思っている条件が3つあります。
- タイミングが良い(人とか動物なら表情/景色なら季節や時間)
- ピントが合っている
- 手ブレ(被写体ブレ)がない
(意図的にぼけやブレを使うセンスを持ち合わせていない事に起因する、私的な意見です。)
猫撮りをする際に親指AFを使うことで
”タイミング” を逃さず、 ”ピント” の合った写真を撮ろう。
という内容になります。
親指AFとは?
語弊を恐れずに要約すると、
シャッターボタン半押しではなく、別のボタンでAF(オートフォーカス)を作動させるだけです。(ボタンを押す指が親指なので "親指AF" と呼ばれています)
ですが、これを使いこなすには "フォーカスモード" と "優先設定" の関係を理解する必要があります。
これを理解せずに、ただAFを親指に割り当てるだけでは失敗する事があるかと思います。
どんな失敗かというと。。。
シャッターが切れない (つД`)ノ
私が親指AFを今まで 使えなかった 使わなかった理由がココにあります。
過去AFボタンの割り当て(=親指でAFが作動する状態)には何度かトライしたものの、毎回シャッターが切れず、「え!? あ。いいや。分かんないし、いつもので。」
結局、元の設定に戻して逃げてました (~_~;)
今回親指AFを使うに当たって、自分的に納得できる解釈をまとめましたので、以下長くなりますがお付き合い願います。
(理屈はいいからって人は末尾の "まとめ" まで読み飛ばして下さい)
AFとシャッターの関係は ”フォーカスモード” と ”優先設定” の組合わせで決まります。
フォーカスモードとは
Nikon/SONY/PENTAXの場合:AF-S/AF-C/AF-A
Canonの場合:ワンショットAF/AIサーボAF/AIフォーカスAF
上記を選ぶ設定のことで、AFの動き方を決める設定になります。
- AF-S(ワンショットAF)
ピント合わせを実施→その後ピント固定
- AF-C(AIサーボAF)
ピント合わせを実施→被写体が動く(またはカメラを動かす)と、再度ピントを合わせを行い続ける→被写体が動く(以下繰り返し)
- AF-A(AIフォーカスAF)=オート設定
AF-SとAF-Cをカメラが勝手に判断してどちらかを使う。
つまりフォーカスモードに関しては概念として、
- AF-S:決めたら固定(=静止しているものに向いてる)
- AF-C:随時修正し続ける(=動いているものに向いてる)
と覚えておけば基本的にOKです。
優先設定とは
撮影するときにAFとレリーズ(=シャッターボタン)のどちらを優先させるかを決める設定になります。
(注:絞り優先オート/シャッター優先オートとは異なります!)
- レリーズ優先
シャッターボタン押した時にシャッターが切れる(ピントは関係ない)
- AF優先
ピントが合っているとシャッターが切れる(合ってないとシャッターが切れない)
ふーん。なるほどね。と分かった気になるのですが、注意が必要です(特にAF優先)
注意が必要な理由
- 入門機(下位機種)を使っていると、そもそも優先設定の項目がない
- AF優先は勘違いしがち
1. 例えば D90 にはこの設定がありません ( ̄◇ ̄;)
機種 | AF-S | AF-C |
---|---|---|
D90 | AF優先固定 | レリーズ優先固定 |
D5500 | AF優先固定 | 選択可能(出荷時:AF優先) |
D7200 | 選択可能(出荷時:AF優先) | 選択可能(出荷時:レリーズ優先) |
Nikonの後継 APS-C 機と比較しても、機種ごとに設定可能な部分が違うし、さらに出荷時の初期状態もバラバラです。
D90 の様に選択できなくとも、どの様な設定になっているか把握しておきましょう。
2. 実はファインダーの見た目でピントが合っていても(「ピピッ」という音の後でも)、カメラ的にピントが合っていると判断しているとは限らないんですorz
カメラ的にピント合っていると判断しているのは
● ←(合焦マーク)が点灯している時です!
ちなみに、「ピピッ」という音はAF-SまたはAF-Aモードで最初に合焦マークが点灯した時に鳴ります。
そして、親指AFを使用している時は下記を忘れないで下さい。
- シャッターボタン半押し=親指AFボタン押しっぱなし
例
「ピピッ」と音がしてピントが合う
↓
親指を離す(=半押しを止めたのと同じ)
↓
AFの作動が終了するため合焦マークが消える
↓
カメラ的に「ピント合ってないよー」と判断
↓
シャッターが切れない (´Д` )
私が親指AFを使おうとしてシャッター切れなかったのはコレが原因です。
ちなみに、普段撮影時に一度シャッターを切って、全く同じ構図で撮影するときに、
カメラがもう一度ピント調整をやり直すのもこのためです。
こうやって書いて見ると「AF優先って邪魔だな。」
と思う人がいるかもしれませんが、ピントが合ってないと写真が撮れないというのは失敗写真を劇的に減らす素晴らしい機能であり、メーカーの努力の結晶です。
(意図したポイントにピントが合ってるかどうかは別ですが。。。)
猫撮影用の親指AFの設定/撮影方法
前置きが長くなりましたが、上記を踏まえた私的な猫用設定は下記の通りです。
設定
- AE-L/AF-LボタンにAEを割り振る(親指AF)
- フォーカスモードをAF-C
- 優先設定をレリーズ優先(D90の場合はAF-Cの時点で勝手にコレになる)
- フォーカスポイントを ”中央" を使ってピントを合わせる
AFエリアモードはシングルポイントAF/ダイナミックAF/3D-トラッキングに設定(Nikon機の場合)
以下説明
1:親指AFにするには必須です。
2:AF-Cモードならば、突然機敏な動きをする猫に対してもAFを作動させている間(親指押しっぱなし)ずっとピントを修正し続けてくれます
3:シャッター半押しでピント合わせている間に表情が変わったり、逃げてしまって「あー。今のいい瞬間撮れなかった」って事ありませんか?
レリーズ優先にすることで、押せばシャッター切れますので、「撮れない」事を撲滅できます。
”タイミング” を逃さないことに効果絶大です。
4:猫も人も瞳に ”ピント” を合わせるのが可愛く撮るポイントです。
カメラによって変わりますが、通常一眼レフタイプだと中央のフォーカスポイントが一番精度が高いです。
そのため中央のフォーカスポイントを使ってピントを合わせるのが良いと思って設定しています。
AFエリアモードに関しては人それぞれで、
動く猫を追いきれる自信がある。または、AFポイントがコロコロ勝手に動かれると合わせにくい。
という方はシングルポイントAF
自信無いし、そこはカメラ頑張れ!と思う方は
ダイナミックAFか3D-トラッキングにするのが良いかと。
撮影方法
- 構える
- 中央のフォーカスポイントを猫の瞳(注目してほしいポイント)に合わせる
- 親指AF ON(押しっぱなし)
4-1. 被写体が動いている時→シャッターボタンを押して連射
4-2. 被写体が動いてない時→親指を離してAFを固定し、好みの構図にしてからシャッターを切る
あとは数々の失敗写真の中に埋もれたベストな一枚を探し出す!
こんな感じで実践したのが最初に提示した梅の写真です。
欠点(個人的に)
AF-Cモードにすることによって「ピピッ」と鳴らなくなります。
唯一と言っていい欠点がコレです。
結構「撮るぞ!!」っていう気分にしてくれる音だったので、寂しい。
シャッター切っていいのかすごく不安になります(笑)
(合焦マークを見る癖をつけるか、自分の目をもっと信頼するしかないですね)
まとめ
親指AFのメリット
- 同じ構図であればピントを合わせ直す無駄がないので、よい表情をとり逃しにくい(レリーズ優先設定時)
- ピントの固定と追従を親指ひとつ(離す or 押し続ける)で瞬時に使い分けられる。(わざわざダイヤル回したりメニュー開いてAF-SとAF-Cの設定をする必要がない)
お勧め設定/撮影方法
- 親指AFにボタンを割り振る
- フォーカスモードをAF-C
- 優先設定をレリーズ優先(勝手に決まってしまう場合アリ)
- 中央のフォーカスポイントを使ってピントを合わせる
- 親指AF押し続けて、猫の瞳に合わせて連射するだけ!
猫のみならず、犬やその他の動物、子供撮りにも有効なので、是非試してみて下さい。
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